花束を引き立てる、艶やかな葉
花束やフラワーアレンジメントの中で、ふと目にとまる大きなグリーンの葉。それが「ドラセナ」と呼ばれる植物の葉であることをご存じでしょうか?つややかな緑とすっきりした葉のラインは、どんな花とも相性がよく、ブーケに洗練された印象を与えてくれます。
花の色や形を引き立てるだけでなく、空間に奥行きをつくり、花束全体の印象をぐっと引き締めてくれる名脇役。青やピンクの花をやさしく受けとめる、深い緑の存在感がとても印象的です。
ドラセナとは?
特徴(葉の形・色・模様)
ドラセナは、細長い葉や広がりのある葉を持ち、種類によって色もさまざま。
グリーン一色のものもあれば、鮮やかな黄色の斑入り、赤い縁取りが入ったものもあります。
その葉姿の美しさから、切り葉として花束やアレンジメントに使われることが多く、特にフローリストには欠かせない素材のひとつです。


花材として登場するドラセナの種類
名称 | 特徴 | 花束での役割 |
---|---|---|
ドラセナ・サンデリアーナ(斑入り) | 黄や白の斑が入り明るい印象 | 軽やかさを加えるアクセントに |
ドラセナ・レッドエッジ | 葉の縁に赤紫のラインが入る | 花束に深みと大人っぽさを演出 |
ドラセナ・コンシンネ | 細長く直線的なフォルム | モダンで引き締まった印象に |
ドラセナ・マッサンゲアナ | 幅広で光沢のある葉 | 存在感のあるグリーンに |
今回ご紹介しているのは、花束などに添えられる“葉もの”としてのドラセナですが、じつは観葉植物としても多くの種類が存在しています。よく知られている「幸福の木」や「コンシンネ」なども、同じドラセナの仲間。そちらは別記事であらためてご紹介していく予定です。
切り葉としての扱い方
水あげ・管理のコツ
- 花瓶に活ける際には、下葉を取り除いてから水に入れましょう。
- 茎の断面を斜めにカットすると、水の吸い上げがよくなります。
- 数日ごとに水を入れ替え、茎のぬめりを取ると長持ちします。
他のグリーンとの相性
- ユーカリやアイビーなど、やや軽やかなグリーンとの組み合わせもおすすめ。
- 主張が強すぎない分、明るい花・ダークな花、どちらにも寄り添う柔軟さがあります。


■筆者のミニメモ
◆ミニメモ: 写真の花束には、深い赤のバラとレモンライム色のカーネーション、それを包むようにドラセナの赤縁取りの葉が。ピンクのトルコキキョウにも負けない存在感があって、花束全体を大人っぽくまとめています。そして、以前、ドラセナを観葉植物として育てたこともありますが、思いのほかうまくいかず…。
でも切り葉としてのドラセナは、毎回その存在の強さに頼りたくなります。

まとめ|葉が語る静けさと花束の奥行き
花束の中で主張しすぎず、けれど確かな存在感を放つ「ドラセナ」の葉。斑入りや赤縁など、種類によって表情も豊かで、色とりどりの花たちを静かに引き立ててくれます。
ふとした贈り物の中に、こんなグリーンが添えられていたら。そこには、色だけではない「調和」と「静けさ」の美しさが感じられるかもしれません。
花束に添えられる葉ものの魅力をもっと知りたい方へ⇩


ドラセナのホテル装花もどうぞご覧ください⇩
