花ハサミの選び方と手入れのコツ|母の日のカーネーションに添えて

昨年の春、小江戸川越の街角で、ふと足を止めた小さな刃物店。
そこで出会った特別なハサミと、母の日に迎えたカーネーション。
あのときの空気を、今もそっと思い出します。

目次

母の日に迎えたカーネーション

この年の母の日に迎えたのは、深みのあるワインレッドのカーネーション。シンプルにグリーンを添えて活けると、落ち着きの中に優しさを感じるアレンジになりました。

子供のころから、憧れていたハサミの形

小さい頃から、
「切り花用のハサミといえばこの形」
と、自然に思い描いていました。

生け花を学んだわけではないけれど、
手にしっくりくるこの形に、ずっと憧れていたのです。

趣のある刃物専門店で出会った特別なハサミ

小江戸川越の街をふらっと訪れたとき、
偶然立ち寄った刃物専門店「まちかん」さん。昔ながらの店構えと、
職人さんたちの丁寧なものづくりへの空気に、自然と引き寄せられました。店内で出会ったのは、
黒くしっかりとした質感、すっと伸びた刃の美しさを持つ、憧れのハサミ。さらに、作り手さんのお話を直接伺うことができ、道具ひとつひとつに込められた思いに、より一層の愛着が湧きました。

そんなとき、そばにいた家族が、
「母の日に」と、この特別なハサミをプレゼントしてくれたのです。

■筆者のミニメモ

◆体験:手に持ったとき、まるで昔から知っていた道具のような懐かしさ。
これからずっと、お花時間を共に過ごしてくれる、そんな存在になりました。

草花を切る専用ハサミの種類と特徴

お花やグリーンをきれいに飾るには、
専用のハサミを使うと、仕上がりも長持ちも違ってきます。

ここでは、代表的な「草花用ハサミ」の種類と特徴をまとめました。

ハサミの種類特徴主な用途
花鋏(はなばさみ)刃先が細くシャープ。軽やかな切れ味生け花・アレンジメント全般に使用
剪定鋏(せんていばさみ)刃が厚めで太い茎や枝も切れる庭木や太めの枝物のカットに
フラワーシザーズ西洋式。持ち手がリング状で使いやすいブーケ作りやアレンジメント向き
生け花用鋏(流派ごとの特徴)流派により刃の形・長さに違いあり(池坊は短め、草月は直線的など)正式な生け花の型に合わせたスタイルに対応

<流派ごとの特徴簡単メモ>

流派ハサミの特徴
池坊刃が短く繊細な作業向き
草月流刃が比較的まっすぐで、自由なアレンジに向く
小原流太めの持ち手と丈夫な刃で、枝物にも対応

<花ハサミを長く使うための手入れのコツ>

お気に入りのハサミも、日々のお手入れで使い心地が変わってきます。
少しだけ意識してあげることで、長く快適に使い続けられます。

  • 使用後は、刃についた水分や樹液をやさしく拭き取る
     → 特にバラやユーカリなど、樹脂が付きやすい植物を切ったあとは、清潔にしておくのが大切です。
  • 樹液が気になるときは、薄めた中性洗剤で軽く拭き取る
     → 頑固なベタつきも無理なく落とせます。
  • 刃の接合部分にごく少量の油を差す
     → 開閉がスムーズになり、サビ防止にもつながります。
  • 湿気の少ない場所で保管する
     → 清潔な状態が保たれ、刃も長持ちします。

お気に入りの道具をていねいに扱う時間も、
花のある暮らしのひとつとして、静かに心に残るような気がします。

■筆者のミニメモ

◆ミニメモ:私が選んだのは、流派にとらわれない「花鋏」。
自分の感覚を大切に、お花と向き合っていきたいと思っています。

カーネーションを活けたひととき

この日は、新しいハサミを手に、カーネーションの茎をひと枝ずつ丁寧に整えました。カチリ、と静かな音をたてるたびに、小さな感謝と喜びが広がりました。

まとめ| ~花と向き合う 私だけの時間~

ハサミの形にも、飾り方にも、決まった正解はありません。大切なのは、花を大切に思う気持ちと、
その瞬間の心の動き。これからも自分らしいスタイルで、花と向き合う時間を重ねていきたいと思います。

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