花屋さんの店先やブーケにそっと添えられ、清楚でさりげない存在感を放つ「夏白菊(なつしらぎく)」。見た目はカモミールにも似ており、「これってハーブ?」と思ったことがある方も多いかもしれません。実はこの花、ナチュラルな雰囲気と控えめな華やかさを兼ね備えた人気のグリーン系フラワーなんです。この記事では、夏白菊の特徴や名前の由来、花言葉、そしてカモミールとの違いについて、やさしく丁寧に解説します。飾りたくなる花のヒントが、きっと見つかりますよ。
夏白菊ってどんな花?
「夏白菊(なつしらぎく)」は、別名「マトリカリア」や「フィーバーフュー(Feverfew)」とも呼ばれるキク科の多年草です。
小さな白い花と黄緑のふわふわとした葉が特徴で、初夏〜夏のアレンジメントに欠かせない人気の花材となっています。
特徴 | 内容 |
---|---|
開花時期 | 5月〜7月ごろ(地域により前後) |
花の形 | 小さなマーガレット状の白い花(径2〜3cm) |
葉 | ギザギザで黄緑色、独特の香り |
茎 | 細めで、束ねるとナチュラルな雰囲気に |
香り | 少し苦味のあるハーブ調の香り |
用途と魅力
- 小花としてブーケやリースのアクセントに使いやすい
- 葉のやわらかい質感と色味が**「抜け感」や「軽やかさ」**を演出
- 花束の“脇役”として人気ながら、単独で飾っても可憐な印象に
- 白・黄色・グリーン系の花との相性が良く、色合わせが上品にまとまる
■ 筆者の体験メモ
◆ 体験メモ:
夏白菊を、黄色のスプレーカーネーションと白のカラーと一緒に生けたところ、
柔らかいイエローと透明感のあるホワイトに、夏白菊のグリーンがとけ込んで、
とても可憐で涼やかな印象のアレンジに仕上がりました。
小さな花ながら、空気をふんわりと整えてくれる力を感じました。

マトリカリアとは?呼び方の違いについて
「マトリカリア」という名前は、園芸業界やフラワーアレンジメントの世界でよく使われている通称です。
学名「Tanacetum parthenium(タナセツム・パルテニウム)」に由来し、英語名の「フィーバーフュー(Feverfew)」、和名の「夏白菊」と同じ植物を指します。
呼び名 | 使われる場面 |
---|---|
夏白菊 | 和風の名称。花言葉・ブログ・暮らしの中で使われやすい。 |
マトリカリア | フローリスト・花屋・アレンジ業界での流通名。 |
フィーバーフュー | ハーブ・園芸書・海外名。薬効のある植物名として。 |
✅ まとめると、「夏白菊」「マトリカリア」「フィーバーフュー」はすべて同じ植物。
それぞれの名前が使われる文脈や文化圏が違うだけです。
この3つの名前を知っておくと、花屋さんやハーブ専門店でも迷わず探すことができます。
カモミールとの違いは?
見た目が似ていることから、夏白菊(マトリカリア)とカモミールは混同されることが多いですが、植物学的にも使い方としても別の花です。下記の表に違いをまとめました。
項目 | 夏白菊(マトリカリア/フィーバーフュー) | カモミール(ジャーマン/ローマン) |
---|---|---|
科名 | キク科ヨモギギク属 | キク科シカギク属(カマエメルム属) |
開花時期 | 初夏〜夏 | 春〜初夏 |
花の香り | ハーブ系でやや苦味のある香り | 甘くフルーティーな香り |
用途 | 観賞用・アレンジメント用 | ハーブティー・アロマ・美容 |
花の印象 | 小花が密集、ナチュラル | 花首がやや長く、ぽってり可愛い |
葉の形 | 細かくギザギザ、黄緑色 | 細かいがやや丸みがある |
✅ ポイント
マトリカリア(夏白菊)は「飾って楽しむ花」、
カモミールは「飲んだり香りを楽しむハーブ」として使われることが多いです。
花言葉
夏白菊(マトリカリア/フィーバーフュー)には、以下のような花言葉があります。
花言葉 | 意味・背景 |
---|---|
鎮静 | 名前の由来が「熱(fever)を下げる」薬草だったことから。 |
深い思いやり | 小さな花をたくさん咲かせ、寄り添うように咲く姿に由来。 |
優しさ | 控えめな花姿からくるイメージ。 |
これらの花言葉からもわかるように、マトリカリアは静かに寄り添うような存在として、贈り物やアレンジメントにもふさわしい花です。
夏白菊(マトリカリア)は、花束にひとさじの“やさしさ”を添える存在
夏白菊は、派手さはないけれど、日常の中にやさしさと安らぎを運んでくれる小さな花です。
見た目はカモミールに似ていますが、観賞用としての魅力や葉の香り、枝ぶりの軽やかさはまさにマトリカリアならでは。
花束やアレンジに少し添えるだけで、ふわっと空気がやわらぎ、ナチュラルな雰囲気を演出できます。
飾って眺めるだけで、ちょっと優しい気持ちになれる──そんな存在を、お部屋に迎えてみてはいかがでしょうか。