ウィーンからパリへ|マリーアントワネットの馬車道に咲いていたかもしれない花をたどって

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旅の話で思いがけず重なったマリー・アントワネット

昨日、友人と語り合ったヨーロッパの旅の記憶。その中でとても印象的だったのは、ウィーンからパリへの移動についてでした。彼女が過去に体験した列車での移動と、私がこの夏に予定している寝台特急での旅。どちらも、ちょっと非日常で心が高鳴る体験です。そして、ふと話題になったのがマリー・アントワネット(以下、アントワネット)という女性のこと。彼女が14歳でフランスに嫁ぐためにウィーンを旅立ち、馬車でパリへと向かった道のり。それが、私のこれからの旅と少しだけ重なるような気がして…静かに、でも確かに、心が動きました。

馬車の窓から見えたかもしれない風景

彼女が旅をしたのは1770年。
ウィーンを出発し、のちにバイエルン、シュトゥットガルト、ストラスブールを経て、フランスへ。

長い馬車の旅のなかで、アントワネットはどんな風景を見ていたのでしょう。
春の終わり、初夏の草原を、柔らかな風にそよぐ野の花。
旅の緊張と、まだ見ぬ国への不安と期待のあいだで、きっと心に何かが残ったはず。

今の季節に咲く、あの道に咲いていたかもしれない花を、私は静かに想像してみました。

風に揺れていたであろう草花たち
どれも、その時代の記憶のように

馬車の窓に揺れたかもしれない花たち ~想像~

花の名前特徴・印象
ワイルドローズ(野ばら)気品があり、でも素朴。ヨーロッパ各地に自生しているバラの原種。
ヤグルマギク紺碧の花色が揺れる、可憐な麦畑の花。
カモミール優しい香りで、草むらにふわりと広がる白い花。
ポピー赤い小さな花が、風にひらひらと舞う光景が目に浮かびます。
アントワネットの記憶に
そっと咲いていたかもしれないバラ

私の旅の中にも、そっと花を見つけたい

私のウィーンからパリへの旅は、個室寝台列車での快適な移動。けれど、窓の外の景色を眺めるとき、私はそっと馬車の中のアントワネットを想像してしまうでしょう。彼女が見たであろう風景に思いを馳せながら、今という時間を旅していく――そんな感覚も、花の記憶とともに旅を彩ってくれるのかもしれません。

彼女の心に咲いていたバラ
私の旅にも重なる期待
マリー・アントワネットが使った馬車は
こんなふうだったのでしょうか

🎼今回の一曲 

モーツアルト「ピアノ協奏曲 第21番 第2楽章」 ♬

静かな午後、王妃はどんな想いで空を見上げていたのだろう――

この曲は静謐で、どこか哀しくも穏やかな旋律が、馬車に揺られた道中の心の奥や、
パリの宮殿の一室で眺めた花々とともに、ウィーンの記憶とパリの現実の狭間に揺れる王妃の心に
そっと寄り添っているように思えてきます。

▶︎ YouTubeで聴く

※この第2楽章は、映画『Elvira Madigan(エルヴィラ・マディガン)』で使用されたことから、「エルヴィラ・マディガン」の愛称でも知られていますが、この記事ではあくまで、王妃の静かな午後を思わせる旋律としてご紹介しています。

まとめ ~遠い旅路に、心を重ねて~

まだ見ぬ道のりを想いながら、私の心はもう旅の途中にあるのかもしれません。同じルートを、違う時代に歩いた誰かの記憶にそっと触れながら、その景色に、私自身の花をひとつ添えてみたいと思いました。

馬車の窓の外に
そっと揺れていたかもしれないカモミール
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