旅先のホテルで出会った、印象的な装花の記憶。
部屋へと向かう静かな通路の途中でふと目を奪われた、黄色の花と緑の葉の大きなアレンジメント。写真では伝えきれない空気感とともに、その美しさを記録しておきたいと思いました。
通路を彩る、印象的な花のアレンジ
ドラセナの葉が放射状に広がり、その間から丸く黄色い花が顔を出すように咲いていました。
シンメトリーな配置はどこかアートのようで、あたたかみのあるライティングと相まって、空間全体がふんわりとやさしい空気に包まれていたのを思い出します。

◕シンメトリーという美しさ
花のアレンジメントにおいて、シンメトリー(左右対称)の構成は、見る人に安心感や調和を与えてくれます。
この装花も左右対称に整えられており、花の大きさや葉の向きが均等になるよう丁寧に配置されていました。
視線の中心が自然と花の核に集まり、通りすがりでも思わず立ち止まりたくなるような吸引力がありました。
花の細部に宿る美しさ ピンポンマムとオンジウム
寄ってみると、黄色い花はピンポンマムのような形をしていて、その下に添えられたオンシジウムが軽やかに揺れていました。足元を支えるのは艶やかなドラセナの葉。葉の縁のグリーンの濃淡が、全体の立体感を引き立てていました。
●ピンポンマム/特徴と花言葉
- 特徴:丸く整った球状の形が特徴的な菊の一種。明るい色合いとふんわりとした印象が魅力。
- 花言葉:「君を愛す」「高貴」「真実」
●オンシジウム/特徴と花言葉
- 特徴:蝶のような小花が連なって咲く洋ラン。黄色や茶色が主流で、軽やかさと上品さを兼ね備えている。
- 花言葉:「可憐」「一緒に踊って」「気立ての良さ」
それぞれの花が放つ意味を思うと、空間に漂うやさしい雰囲気にも、納得がいく気がします。

グリーンとして活躍するドラセナをこちらでも紹介しています⇩

花のしつらえが、空間を変える
ホテルでは、部屋の中だけでなく、共用スペースのあちらこちらに花が飾られていました。またクラブラウンジでは、蘭のアレンジメントが涼しげに佇んでおり、空間全体に統一感と品のある華やかさを与えていました。


クラブラウンジの蘭の装花
■筆者のミニメモ
◆ミニメモ:ふと足を止めたのは、通り道の一角にそっと飾られた大きな葉と黄色い花のアレンジでした。決して華美ではないのに、どこか心に残る――そんな佇まいに、マンダリンオリエンタルホテルの細やかな心配りを感じました。「ここにも、こんなに丁寧に花を飾るんだ」と思わず心が動いたあの瞬間。花のある空間って、やっぱりいいな、と改めて思わせてくれる体験でした。

🎼ホテル装花と旅の気分に寄り添う音楽
久石譲「Summer」♬
レストランやラウンジへ向かうときの穏やかな気持ちに。
▶ YouTubeで聴く ※ピアノの旋律は1分30秒頃から静かに始まります。
『海賊』第3幕「花園」より♬
中庭やプールへ向かう軽やかな気分で。
ピアノとオーケストラ、2つの響きをどうぞ。
▶ YouTubeで聴く <ピアノver.>
▶ YouTubeで聴く <オーケストラver.>
まとめ|空間と記憶に咲いた花
花の名前も正確にはわからなかったけれど、その時の空気や、照らされた通路の心地よさは、確かに心に残っています。こうして写真に残しながら、いつかまたこの感覚を思い出したいと思っています。
