ヒペリカムと紅花の彩り|ユーカリと楽しむ季節の花瓶アレンジ

季節の花や実ものを、気軽に持ち帰って飾る。そんなひとときに出会った、彩り豊かな3つの花材をご紹介します。

目次

鮮やかな実と和の花を、軽やかな葉とともに

雨の午後、ふらりと立ち寄った花屋さんで出会った3つの花材。
赤い実が可愛いヒペリカム、色の変化が楽しめる紅花、そして軽やかなユーカリの葉。
2本ずつ揃えてみると、まるで最初から一緒にいたかのようなバランスに仕上がりました。

華やかさよりも、静かな佇まい。
夜の照明の中で、それぞれの色が穏やかに浮かび上がる花瓶アレンジです。

ヒペリカム
ベニバナ

ヒペリカム|赤い実が主役になる花材

ヒペリカムといえば、小さな赤い実がついた枝もの。
実ものの中では特に人気があり、花束やブーケにもよく使われます。
丸く光沢のある実が印象的で、グリーンの葉とのコントラストがとても美しい花材です。

●ヒペリカムの花言葉

「きらめき」「悲しみは続かない」など、前向きな意味をもつものが多く、贈り物にもぴったり。

日持ちもよく、今回のように他の花と合わせても埋もれず、どこか可愛らしい存在感を放ってくれます。

●ヒペリカムのその他の特徴

ヒペリカムは、別名「西洋オトギリソウ」や「セント・ジョーンズ・ワート」とも呼ばれ、観賞用としてだけでなく、ハーブとしても親しまれてきた植物です。

切り花としては通年出回っていますが、特に5月から10月頃に多く見かけられます。赤やピンクの実が主流ですが、グリーンやブラウンなど落ち着いた色合いもあり、ブーケやアレンジメントのアクセントとして人気です。

また、ドライフラワーやリース素材としても重宝され、庭植えや鉢植えで楽しむ方もいます。小さな実の可愛らしさと、しっかりとした枝ぶりが、暮らしの中での存在感をそっと高めてくれるグリーン素材です。

紅花(ベニバナ)|色の変化も楽しめる季節の花

紅花は、もともとは染料や食用として親しまれてきた、日本の夏の代表的な花。今回手に取った紅花は、おつとめ品のような控えめな佇まいで、オレンジから赤みを帯びていく色の変化がとても魅力的でした。花びらの質感は少しドライな印象もあり、ヒペリカムやユーカリの葉と合わせることで、自然な野の花のような雰囲気に。

おつとめ品の紅花が、優しく開いてくれました

●ベニバナの花言葉

「化粧」「装い」「包容力」など、和花らしい優しさのある言葉が並びます。

●紅花(ベニバナ)のその他の特徴

紅花は初夏から盛夏にかけて出回る季節の花で、切り花としての鮮やかな橙色が印象的ですが、古くから多くの用途で活用されてきた歴史ある植物でもあります。

染料としての利用は特に有名で、黄色系の天然染料として布などに用いられてきました。また、種子から搾った「紅花油」は、現在も食用や化粧品用として人気があります。

さらに、乾燥させた花は生薬としても用いられ、漢方の分野でも活躍するなど、その用途の広さも特徴です。飾って楽しむだけでなく、私たちの暮らしに深く根付いた花と言えるでしょう。

ユーカリの葉|空間をつなぐ軽やかなグリーン

今回使ったのは、丸くて薄い葉が特徴の「ポポラス系」のユーカリ。青みがかったグリーンが、赤や黄色の強い色をやさしく受け止め、全体の空気を整えてくれます。葉の形もバランスよく、空間にふわりと動きをつけてくれるので、シンプルな花材を引き立てるのにもぴったりです。

葉のかたちが可愛らしい
ポポラス系のユーカリ

お花屋さんに行くたびに、並んでいるユーカリの種類が違うこともよくあります。葉のかたちや色味を見比べるのも、季節の楽しみのひとつです。

ユーカリの葉の種類など、こちらもあわせてご覧ください⇩

花材のまとめ(ヒペリカム・紅花・ユーカリ)

それぞれの特徴については本文でご紹介しましたが、あらためて出回り時期や主な用途を簡単に整理しておきます。
アレンジのヒントとしても参考になれば嬉しいです。

花材出回り時期主な用途
ヒペリカム周年(5〜10月が多い)切り花・ドライ・鉢植え・リース素材など
紅花(ベニバナ)6〜8月(初夏〜盛夏)染料・紅花油・漢方・観賞用
ユーカリ(ポポラス)通年(種類により異なる)観葉・スワッグ・芳香・空気清浄

■筆者のミニメモ

◆ミニメモ:ベニバナとヒペリカム、そしてユーカリ。すべて2本ずつで気軽に持ち帰れる量でしたが、こうして花瓶に活けてみると、しっかりとした季節の彩りに。雨で早く暗くなった日でしたが、静かな部屋に赤・橙・青緑がゆるやかに浮かぶ様子に、しみじみとした心地よさを感じています。

夜の部屋に浮かぶ、静かに響き合う3色の彩り

まとめ|花瓶に浮かぶ、季節の小さな取り合わせ

赤い実、橙の花、青緑の葉。色のバランスも質感もそれぞれ違うのに、どこか調和がとれているのは、自然のなせる技なのかもしれません。ひとつひとつは主張しすぎず、けれど一緒にいることで際立つ3つの花材。
暮らしの中に、こんな静かな季節の調和があるだけで気持ちもやわらかくほどけていきます。

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