前回の記事では、我が家で育てた胡蝶蘭や旅先で出会った蘭の思い出をご紹介しました。今回はその続編として、少し格式のある印象を持つ「カトレア」と「シンピジウム」に焦点をあててみたいと思います。どちらも以前から名前を聞く機会の多い蘭ではありますが、私にとっては少し距離を感じるような、どこか“きちんとした花”という印象がありました。けれど改めて向き合ってみると、それぞれに異なる美しさや存在感があり、思い出の中に重なるような場面も浮かんできました。
カトレア|華やかさと品格をあわせもつ“蘭の女王”
カトレアは「蘭の女王」とも呼ばれるほど、豪華で華やかな花姿が特徴的な蘭です。花弁の縁にフリルのような波打ちがあり、ひと目で印象に残る美しさがあります。特に、ウェディングブーケやパーティの装花などで見かけることが多く、私自身も“結婚式の花”というイメージをずっと持っていました。もしかしたら、実際に何度も目にしていたのかもしれませんが、その存在感の大きさから、逆に日常の中ではあまり馴染みがなかったのかもしれません。
【カトレアの特徴一覧】
項目 | カトレア |
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分類 | ラン科カトレア属 |
原産地 | 中南米(ブラジル・コスタリカなど) |
主な色 | 白・ピンク・紫・黄・オレンジ |
開花時期 | 春・秋(交配種では通年) |
花の特徴 | 大輪で1〜3輪、花弁にフリルあり、華やかで目を引く |
香り | 強めで華やか、品種により芳香性 |
耐寒性 | 弱い(最低温度15℃以上が理想) |
育て方のポイント | 光を好むが直射日光は避ける。乾燥気味を好み、水やりは乾いたらたっぷり。 |
おすすめの飾り方 | 一輪挿し、ブーケ、式典やウェディングの装花に最適 |
花言葉 | 優雅な女性、魔力、魅惑の香り |
■筆者のミニメモ
◆ミニメモ:カトレアはどこか特別な花というイメージがあり、日常的に飾るには少し構えてしまう存在でした。でも、大きく咲いたその一輪に、ただ素直に「きれい」と思える瞬間があったとき、その距離がすっと近づいたような気がしました。


シンピジウム|冬に咲く丈夫な蘭
シンピジウムは、寒い季節にも花を咲かせる丈夫な蘭の代表格。私にとっては、幼い頃、冬のリビングや応接室に飾られていた記憶のある花で、花数が多く、ややごつごつとした印象がありました。正直なところ、当時はあまり繊細さを感じず、“少し苦手な花”という思いがあったのですが、大人になって改めて見ると、その存在感と安定感が、かえって頼もしく感じられるようになりました。色合いや咲き方も多様で、贈答用としての人気が高い理由にも頷けます。
【シンピジウムの特徴一覧】
項目 | シンピジウム |
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分類 | ラン科シンピジウム属 |
原産地 | アジア(中国・日本・ヒマラヤ) |
主な色 | 白・黄・ピンク・緑・茶系 |
開花時期 | 冬〜春(11月〜4月頃) |
花の特徴 | 中〜大輪で1本に10輪以上咲く。花もちがよく、重厚感がある |
香り | 微香〜品種により無香 |
耐寒性 | 強い(5℃程度まで耐える) |
育て方のポイント | 風通しと明るさが必要。水やりは乾いたらたっぷり、肥料は春〜秋に。 |
おすすめの飾り方 | 鉢植えとして室内に、長期展示や贈答にも向く |
花言葉 | 誠実な愛情、気品、高貴な美しさ |
■筆者のミニメモ
◆ミニメモ:子どもの頃は、どこか“堅い印象”のあったシンピジウム。でも今は、その花持ちの良さや、凛とした咲き方が、静かに寄り添ってくれるように感じられるから不思議です。

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胡蝶蘭や旅先の蘭、我が家で育てた思い出とともに、室内で楽しむ蘭の魅力をご紹介しています→

まとめ|蘭の世界を少しずつ知っていく楽しさ
カトレアとシンピジウム、どちらも私にとっては「少し距離のある花」でしたが、こうして写真と向き合いながら、それぞれの個性を知ることで、少しずつ親しみが湧いてきました。華やかな花の中にある静けさ、凛とした強さ。そんな表情の違いに気づくたびに、またひとつ蘭の魅力が広がっていくような気がします。これからも、少しずつ、自分なりの視点で蘭を楽しんでいけたらいいなと思っています。