芍薬(シャクヤク)の魅力|ボタンとの違いは?花言葉・飾り方・長持ちさせるコツも紹介

ふっくらとしたつぼみから、まるでドレスのように花びらを広げていく芍薬(シャクヤク)。
春から初夏にかけて、ふと目に留まると嬉しくなるような、美しく存在感のある花です。

今回は、来客に合わせて購入した芍薬と、その日に合わせたユリやスターチスとの飾り合わせ、
そして芍薬の魅力や長く楽しむためのコツについてご紹介します。

準備を整えながら、飾る場所を考える時間
つぼみの芍薬とユリを丁寧に水揚げ
目次

芍薬ってどんな花?ボタンとの違いは?

芍薬内容
分類多年草(ボタン科)
開花時期5月〜6月頃
花色ピンク・赤・白・黄 など
出回り時期切り花としては4月〜6月上旬が最盛期
香り品種によってほのかに香るものあり

花の中でもとくに“咲く姿”が美しい芍薬。
しっかりと閉じたつぼみが、ふわりと開いていく様子には、毎回心を奪われます。

茎の長い芍薬は、ドウダンツツジと合わせて高さを楽しむ飾り方に。

● 芍薬と牡丹の違いを表にまとめました

芍薬(しゃくやく)は、春から初夏にかけて出回る多年草で、凛とした立ち姿とふわっと広がる花びらが特徴です。
一見すると「牡丹(ぼたん)」とよく似ているため、どちらか分からなくなることもありますが、いくつかの違いがあります。

比較項目芍薬(シャクヤク)牡丹(ボタン)
茎の特徴1本の茎がまっすぐ立つ(草本)茎が木質化し枝分かれする(木本)
開花時期5月〜6月(初夏)4月〜5月(春)
花の姿ややすっきりした輪郭で丸みが強い花びらが多く、より豪華で大輪
葉の形葉が細めで切れ込みが深い葉が丸みを帯びて大きめ
親しみやすさ切り花としてよく出回る庭木や観賞用として植えられることが多い

芍薬は「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合」と言われるように、その凛とした立ち姿が古くから美人のたとえとして親しまれてきました。

牡丹は木のように枝を持つ「木本植物」ですが、芍薬は草のように茎が伸びる「草本植物」。切り花として店頭に並ぶのは、ほとんどが芍薬です。

また、芍薬は「バラにも似ている」と感じる方も多いかもしれません。花びらの重なり方や華やかな雰囲気はどこか共通していますが、芍薬は香りがやさしく、茎がまっすぐで、どこか素朴な風情も併せ持っています。
バラのような高貴さというより、「親しみのある気品」が芍薬の魅力かもしれません。

芍薬の花言葉

芍薬には、色ごとに異なる花言葉が存在します。以下に代表的なものをまとめました。

花言葉
全般はにかみ・慎ましさ・内面の美しさ
誠実・情熱
清純・幸せな結婚
ピンク恋の予感・恥じらい

控えめで清楚な印象のつぼみから、鮮やかで華やかな花姿を見せる芍薬には、「内に秘めた美しさ」を思わせるような花言葉がよく似合います。

来客に合わせた花支度|家にあるグリーンとあわせて|ユリやスターチスとの飾り合わせ

今回は、芍薬に合わせて清らかな香りのオリエンタルユリ、色彩と軽やかさを添えるピンク色のハイブリッドスターチスを少しだけ足して、家の空間を整えました。 特にユリは玄関に飾ることで、来客を迎える香りの演出に。 スターチスはテーブルに明るさと動きを加えてくれました。

玄関に飾ったユリは、家にある元気なミリオンバンブーと合わせて。
茎の長いものを選び、高さとバランスを意識して整えました。
ドラセナの葉と紫のスターチスは、以前から飾っていたもの。
そこにピンクのハイブリッドスターチスを添えて、さりげなく季節を重ねました。

●ここで、ハイブリッドスターチスの説明も簡単に!

ハイブリッドスターチスは、従来のスターチスよりも花が小ぶり、茎がしなやかで、花付きが良く、色も豊富な改良品種です。ピンク・パープル・イエロー・白などカラーバリエーションも多く、主役にも脇役にもなれる万能選手。ドライフラワーにもなりやすく、長く飾れるお花として人気があります
切り花で買う際は、花の色が濃く、葉が元気なものを選ぶと長持ちします。

■筆者のミニメモ|香りの花は、迎える玄関で空間の記憶をつくる‼ 

◆ミニメモ:朝、玄関の扉を開けた瞬間にふわっと香るユリの匂い。その空気に触れただけで、「今日も整っている」と感じられるから不思議です。香りは目に見えないけれど、記憶に残るもの。だからこそ、香りのある花は、おもてなしにも、自分のためにも大切な存在です。

芍薬を長持ちさせるコツ

芍薬はとても美しい反面、温度や水揚げに少し敏感です。以下のポイントを意識するだけで、お花のもちがぐんと変わってきます。

● 芍薬を長持ちさせるためのポイント

ポイント詳細
水揚げ処理茎を斜めにカットし、深水でしっかり吸水させる
花粉の処理開花後、花粉をそっと取ると花びらが汚れず長持ち
温度管理直射日光・エアコンの風を避け、涼しい場所に置く
つぼみが硬い時湿らせたティッシュで包む/ぬるま湯につけるなどで開花を促す

まとめ|芍薬が咲く瞬間を楽しむ

芍薬の花は、一日一日で表情が変わります。つぼみの硬さやふくらみ具合を眺めながら、その日の空気や気温に合わせて少しずつ咲いていく様子は、まさに「花の時間」を感じさせてくれる存在です。飾ることで空間が整い、気持ちもゆるむような芍薬のある暮らし。今の季節ならではの一輪を、ぜひ楽しんでみてください。

少しずつ咲いていく芍薬は、空気の移ろいを映す花。
咲き始めた芍薬は、表情豊かで心を引き寄せます。

■筆者のミニメモ|芍薬を飾る日は、少しだけ背筋が伸びる

◆ミニメモ:華やかな花に合わせて、空間も整えていく‼芍薬を部屋に飾るときは、どこか自然と背筋が伸びるような気がします。他の花では感じない、ちょっとした緊張感というか、花に負けない空気を部屋に用意したくなるような——そんな感覚。花を整えるだけでなく、自分自身の心や空間まで整えてくれる。芍薬にはそんな力もあるように思います。

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